小さな百合の花

ほら。

私には分かってたんだ。

こうなること。こうなってしまうこと。


「価値観も求めているものも違うのに一緒にいれへん。けど俺はお前のことが好きや」


じゃあなんで

じゃあなんで離れようとしてるの。

私にはあなたが必要なのに。

あなたしかいないのに。

じゃあなんで泣いてるの。


私は必死に抵抗した。

必死に説得した。


「2番目でもいい。離れたくてもいい。私はただあなたのそばにいたい。あなたのそばじゃないと生きられない。死んでしまう」


よく世間で「あなたと別れるなら死んでやる」と脅す女がいるけど、別に私は脅してるつもりはない。

私は本当に彼がいないと死んでしまいそうだったから。


「なんでそんなこと言うねん」


と悲しそうに言う彼の声を聞いて、私の目からは涙がわけも分からず出続けた。


「それじゃあ一緒にいてくれる?」


なんてことを私は懇願しているんだろう。

こんなことを言っても彼を困らせるだけで、彼はもう私に幻滅していて前までの私たちには戻れないのに。


それでも私は懇願し続けた。

彼を繋ぎとめたくて。

私をまだ好きだという彼を信じたくて。


彼は嫌々なのか、渋々なのか私たちの関係が終わらないことを引き受けてくれた。


だけどなぜだろう、この不安。

私には離れてしまうのは時間の問題のように感じるこの不安。


彼はもう私を抱いてくれないかもしれない。

私に触れるのもためらうかもしれない。


私にはこの不安しか残されていなくて、繋ぎとめることしか考えてない。


だけどこれは私から離れてあげるべきなんだろう。

彼はきっと無理をしているから。

私が「死ぬ」とか馬鹿な発言をするから繋がっているだけ。

かれを解放してあげれるのは私しかいないのに。

それでも私は傍にいたい。