「…で?それだけじゃないんでしょ?」

少し気まずくなった空気に耐えきれず話を進める。

「うん…実はね、あたし見ちゃったの」
「何を?」

由季は言葉を詰まらせる。

「…



センセーの彼女」

少し間を置いて由季は言った。

センセの彼女?







「知ってたよ」

消えそうな声であたしは話した。

「知ってたの。彼女がいること…偶然だったけど、デート中の2人に会ったことがあるんだ…」

そう。偶然…
見間違えなら良かった…
見たくなかった真実…

道でバッタリ会った。
嬉しかったのに…
隣には小さな女の人…

『センセ、彼女?』

ワザと明るく聞いてみた。

『おぉ。』

少し照れながら言ったよね。

そして…

『俺の可愛い教え子』

…って…

彼女は可愛く笑って

『もしかして、あなたが飛鳥ちゃん?』

彼女の言葉に驚いてセンセを見た。

『良くあなたの事、話に聞くの。妹みたいに可愛くてほっとけないって…』

あたしの顔を見てやっぱりねって嬉しそうに彼女は話した。