そして半月後…

今日はみんなの卒業制作を鑑賞する日。

あたしたちは急いでホールに向かう。

同じ場所で同じ授業を受けた仲間なのに、みんな全く違う入った当初よりも一回りも二回りも大きく、個性溢れる物に仕上がっていた。

そして歩いて行くと由季の絵が見えてきた。
あたしたちは足を止めた。

タイトル

『想い』

深い深い海の青に優しい光が差し込んでいた。
大きく、暖かい…想いを感じた。

「イメージはね。飛鳥とセンセだょ。」

耳元で囁くように言った。

「海が飛鳥で、光がセンセ…飛鳥を笑顔にするのはセンセの笑顔だから…」

嬉しくて涙が溢れた。そうだね…

センセの笑顔はあたしにとって光だったよ…

涙を拭いてまた歩き出した。

ある一ヶ所で人だかりができている。

「飛鳥。飛鳥の絵良いね。なんか泣けてくる…」

クラスメイトがあたしに駆け寄り口々に呟く。

由季はあたしの手を取り人を掻き分ける。