「俺も、ちょっとショックだった」
「…」
え?
光太郎の言葉に、耳を疑った。
今…何て?
てか、何で光太郎がショック受けるの?
意味がわからず、逸らしていた目を光太郎と合わせた。
「小さい頃からずっと一緒だったから、あんな生々しいシーンを見ちゃうと、もう俺の知っている涼真先輩じゃないんだと思うとショックというか…寂しいというか…」
…何言ってんの?
光太郎の腑抜けた言葉に、少しほっとした。
てか、どんだけお兄ちゃんが好きなんだ。
半分、呆れてしまった。
「真優もそんなもんだろ?兄ちゃんのキスシーンなんて見たくなかっただろ?」
ドキ。
「…うん。そうだね」
とりあえずここは、光太郎に合わせた。
「だよなぁ…でも、やっぱ涼真先輩はスゴイなぁ。常に彼女いるもんなぁ」
ズキ。
入学祝いで家族でレストランに行った時には、いないって言っていたのに。
まだ、一ヶ月も経ってないのに彼女とかー…
お兄ちゃんの、バカ。