「真優、今日は涼真先輩と帰るんだろ?」
ほっと一安心していると、鞄を片手に持った光太郎が席までやってきた。
「あ、うん」
正門前で待ってるって言ってたよね?
「涼真先輩、待たせんなよ。じゃあな。明日、朝迎えに行くから寝坊すんなよ」
念を押すように言われる。
「何で光太郎にそんなこと言われないとって…一緒に登校すんの?」
「中学の時も一緒に登校してたじゃん。てか、真優一人で登校させんのが心配」
「な…子供じゃないんだから、大丈夫だし!」
「どうだか。じゃあな」
「ちょ…光太郎!?」
名前を呼んで呼び止めようとしたが、手を振りながら教室から出て行ってしまった。
「もうっ…」
一人で登校できるし…
「って…」
そんなことを思っている場合じゃない。
周りを見渡すと、シンッと静まり返っていた。
もう皆帰っちゃってるじゃん!
慌てて鞄を肩に掛けると、急ぎ足で教室から出た。



