そんな光太郎の姿に呆れつつ、入学式が行われる体育館へと向かった。
新入生の席は、檀上から一番前の席。
その後ろに、在校生。
さらにその後ろには、新入生の保護者が座っていた。
体育館の脇には、たくさんの先生達が立っている。
その中に、さっき名前を間違えた?白衣を着た先生もいた。
何の教科の先生だろう?
白衣だから、化学?
もしかして、養護の先生とか?
そんなことを考えながら、校長先生やら来賓の挨拶を聞いているとー…
「在校生代表、白石 涼真」
ドキ!
入学式の進行が呼んだ名前に、心臓が跳ねた。
俯き加減になってしまっていた顔を上げ、檀上を見た。
すると檀上脇から、さっきまで一緒にいたお兄ちゃんが真剣な表情で出て来た。
ドキ、ドキー…
「…っ」
さっきまで緊張してなかったのに、お兄ちゃんが出てきたら急に緊張し始めた。
「え…もしかして、あの人が白石先輩!?」
「うそ!マジでカッコ良いじゃん」
周りにいる女の子達も、ざわつき始める。
「お近づきになりたい…けど、無理そう」
「私は頑張っちゃおっかなぁ」
…聞きたくないのに、聞こえてくる声。
「一目惚れだな、これは」
「私も~。ライバル多そうだけど、頑張っちゃお!!」
そんなこと聞きたくない。
けど、まだ式の最中だ。
檀上で、お兄ちゃんが真剣な表情で祝辞を読み上げている。
ここにいるほとんどの女の子が、きっとお兄ちゃんに見惚れている。
ずっとお兄ちゃんを好きな人ー…
今日からお兄ちゃんを好きになる人ー…
「…そんなにモテなくてもいいのに」
私以外、お兄ちゃんを好きになって欲しくない。
そんな嫉妬芯に、心が支配される。



