たとえ、この恋が罪だとしても。

隣に座るお兄ちゃんを見ると、目が合った。


「…泣きすぎ、真優」

そう言うお兄ちゃんの目にも、涙が溜まっている。


「だって…」

「ブス」

「！？」

こんな時に、ブスってー…




「嘘だよ。…良かった…本当にー…」

そう言いながら、お兄ちゃんに抱き締められた。



「お兄ちゃん…」


ブスと言いながらも、お兄ちゃんの身体は震えている。
その身体をそっと、抱き締め返す。



私はお兄ちゃんをー…



この人を好きでいていいんだー…



正々堂々と、恋をしていいんだ。





「…ずっと好きだった」