たとえ、この恋が罪だとしても。




「白石、やっぱ何かあっただろ?兄ちゃんと、喧嘩でもしたか?」


ドキン!!!


ぎゅっと心臓を鷲掴みされたように、苦しくなった。


「…当たりか?」

何も答えない私の顔を、山崎先生が覗き込んでくる。


「…」

目を合わせられず、山崎先生の視線から逃げるように視線を逸らした。


「…そうか…」


溜め息をつきながら、山崎先生は離れた。

「じゃあ、うち来るか?」

「…え!?」


唐突な山崎先生の発言に驚いて、大きな声が出てしまった。


「家に帰りたくないんだろ?学校に戻ると家にすぐ帰らされるし、俺の家ならいいだろ?」

山崎先生の家って…
てか、先生の家って行っても良かったんだっけ?

思ってもみなかった山崎先生の提案に、頭が混乱している。


「とりあえず、行くぞ。ここだと、目立つ」

「!」

辺りを見渡すと、遠巻きに私たちのやりとりを見ている通行人の人達がいた。


さっきは気にしていなかったから良かったけど、こうしてジロジロと見られると恥ずかしい。


「白石!」

「っはい!」

いつの間にか車まで行っていた山崎先生に呼ばれ、走って車の元まで向かった。