自分がしてしまった行為なのに、驚いて動けなくなってしまう。
私…なんてことをー…
「…真優」
ビク!
お兄ちゃんに名前を呼ばれ、身体がビクっと跳ねた。
「あ…」
ドクン。
ドクン。
言い訳を考えなきゃいけないのに、頭の中が真っ白。
お兄ちゃんと目を合わせていられず、俯く。
ドクン。
どうしよう…
ドクン。
どうしよう!!
「…気持ち悪いことすんな」
ドクー…ン…
お兄ちゃんの一言に、力が入っていた身体が一気に抜けたように感じた。
¨…気持ち悪いことすんな¨
もう一度、頭の中でリピートされる言葉。
「…っ」
気持ち…悪いこと…?
さっきまでうるさかった心臓が、止まったように静かになった。
私が…
お兄ちゃんにキスしたことがー…?
気持ち悪いー…



