「でも……天は高原くんが好きなんじゃないの?」


「っ!?」



背後から突如聞こえた可愛らしい声に、同じ顔した二人が勢い良く正面を振り返った。



「何言ってんのっ!! 絵那正気!?」



立ち上がり叫び出す天に言い出しっぺの絵那は訝しげに首を傾げる。



「あれ? 違うの?」


「違うに決まってるよ! だ、だいたいねぇ~わたしのタイプは……可愛い感じの男の子なのっ!」



こんなイカツイ仏頂面男なんて……。



勢いに任せてまくし立てる隣で、


「まさか……それで朗楽を」



4歳の可愛い盛りの弟の危機を感じた皇楽が、眉間にシワを寄せて天を見上げていた。


天にショタコン疑惑が浮上。



「ち、違うっ! わたしは……」



絵那と皇楽の誤解を説くべく、これから予鈴が鳴るまでひたすら好きでもないアイドルの話を熱弁する羽目になったのだった……。