「はーいっ。みんなっ注目注目っ!」



ホールに出るなり、頭が痛くなるようなバカテンションの店長が一人はしゃいでいる。



高三トリオを含めたバイトメンバーたちの冷めきった顔に気付くことも無く、



「なんとっ! 今日から臨時だけど、バイト仲間が増えちゃいまーすっ!」



声高に臨時バイトの紹介を始める。



もちろん。
店長のように喜ぶ者は一人もおらず、温度差は広がるばかり。



「鳥井 涼希(りょうき)です。よろしくお願いします!」



歓迎ムードの欠片も無い空気の中、一人盛り上がりムードで迎える店長に促されて現れた長身の男の子。



「あっ……」


「……アレは」


「ウチの制服じゃんっ! 一年? 二年?」



ナチュラルブラウンのストレートヘアで、清潔感があってどこか華やかさもある人目を引く彼の容姿。



彼が身に付けた少し緩めに着こなした制服は、紛れもなく三人と同じ高校のモノ。



慌てて小声で話し始める三人に構うことなくミーティングは終了し、それぞれが持ち場に向かっていく。