「ちょっとまって」
なのに男性は私の手を掴んで止めようとする。
「ほんとにいいの?」
「ほんとに良いとか悪いとかじゃなくて、あなたはその気でついてきたんじゃないの?」
私はもう呆れ始めている。
最近は変な人にばっか会うな…。
まぁ私も人のこと言えないけど。
「やりたくないって言ったらどうする?」
男性は私の目を見てそう聞いた。
「だったらもう帰るよ」
「よくこういうことしてるの?」
「だったら何?」
抵抗なんて、羞恥心なんて、罪悪感なんて……とっくの昔に消えてしまった。
「そっか…」
男性は何故か悲しそうな顔をしている。



