遥さんに頼まれたら嫌とは言えない。


私の恩人だから。


「……わかったよ」


「ほんと!?」


そんなにキラキラした目で見ないでほしい。


「でも、たまにしか返せないかもだからね」


「うん。ありがとな雪」


私たちはLINEを交換した。


この携帯に入っているのは2人だけ。


遥さんと葵。


嬉しいような寂しいような、不思議な感覚。


───コンコン


病院の扉がノックされた。


「はーい」


葵が少し大きな声で返事をすると、お医者さんと看護師さんが入ってきた。