私は今、ものすごくむかついてるんだ。


美月ちゃんを1番最低だと思ったのは、宣戦布告された時じゃない。


葵と抱き合ってた時じゃない。


今だよ。


今ものすごいむかついてる。


今の恋から逃げてる美月ちゃん。


そんなの美月ちゃんじゃないもん。


「私をいくら罵ったっていいからさ、葵を諦めないでよ。恋することを諦めないでよ!」


美月ちゃんはものすごく驚いたような顔をしてたけど、それは一瞬で、


「あんた、ばっかじゃないの?」


すぐにいつも通りに戻った。


私を見下すように、ふっと笑う美月ちゃん。


「ライバルが増えるようなことしてどーすんのよ。ほんとにあおのこと好きなの?」


「好きだよ。好きだからこそ、正々堂々と戦いたいの」


「ふぅーん」