あおの温もり。


あおの匂い。


あおの心臓の鼓動。


あおの強さと弱さ。


あの頃と変わってない。


「俺はずっと美月の味方だから」


そう言ってあおは私から離れた。


たった1分だけのハグ。


でも、大好きな人からのハグ。


それが私にとっては、1番嬉しいことだった。


「またな」


あおはそう言って病室から出て行った。


引き止めることはしなかった。


あおが見えなくなったあと、私は枕に顔を押し付けて泣いた。


こんなに泣いたのはいつぶりだろう。


明日になったら普通に接するから。


今日だけ。


今日だけは思いっきり泣こう。




次の日、私は退院出来ることを告げられた。