それが1番大切だから。
「あぁ、美月ちゃんと仲良かった子ね。うん、あの子はずっと入院してるよ」
よかった。
あおが入院してるってことは、病気は良くなってないってことだから喜んじゃいけないのかもしれないけど。
それでも私は嬉しいんだ。
私は小学校卒業と同時に退院したから、あおと会うのは4、5年ぶり。
つまんない入院生活も、不味い薬も、あおがいるなら耐えられそう。
そのくらい大好きなの。
初めてあおに話しかけられたのは5歳の時。
一目見てかっこいいって思った。
友達がいなかった私に、唯一話しかけてくれたのがあお。
『あそぼうぜ』
そう言って私の隣に座ってくれた。
ぶっきらぼうな言い方だけど、それがあおなりの優しさなんだとわかっていた。
子どもなのにはっきりとした顔立ち。