葵と美月ちゃんが……抱き合ってる。
その状況を理解したくなくて、嘘だと信じたくて。
でも、事実は事実で。
夢じゃないんだよね…。
もう見てられない。
この先2人が何をするかなんて知らないけど、もう見てられない。
私は走って病室から離れた。
とめどなく涙が溢れてくる。
泣きたいのは美月ちゃんじゃなくて私だよ…。
やっぱり2人が一緒に過ごした時間は長くて、私なんかが入り込む隙間なんてなかったのかな。
でも、これでも信じてたんだよ。
葵は美月ちゃんじゃなくて私を選んでくれるかもって、期待してたんだよ。
そっか。
美月ちゃんが好きだったのか。
ダメじゃん。



