美月ちゃんが一緒にいないなんて。


気になった私はこっそり葵のあとをついて行った。


すると、たどり着いたのは葵の病室からさほど離れていない誰かの病室。


葵が中に入ったのを確認してから名前が書いてあるプレートを見た。


「長谷川美月様……か」


そこは美月ちゃんの病室だった。


美月ちゃんがいなくて少し喜んでたのに…。


幸か不幸か扉が少しだけ空いている。


私は好奇心を抑えられずに覗き見してしまった。


2人が何か話している。


でもなんかおかしい。


笑顔が見えない。


葵は扉に背を向けているから、表情は見えないけど、いつもと違って楽しそうじゃない。


美月ちゃんだって深刻そうな顔してる。