剱聖伝

《お前ごとき拳一つで充分

だ》


それを聞いた兵士は怒り狂

い、ナイフを流星の如く


突き出すがクロードはその

全てを避け、目に見えぬ


ほどのパンチを兵士の顎に

喰らわす。何が起きたか


解らないうちに体は


10メートルほど宙を舞い


地面に叩き付けられる。


クロードはすぐさまラキの

元へ駆けよった。


《まだ息がある…》


それを確認すると


すぐに手をかざし、意識を

集中する…青白い光が


傷を塞いでゆく。


ラキの瞼が少し震えた


後、ゆっくりと開いた。


《…クロード……セシルド

…さん…が危ないんだ…


それを伝え…に…そしたら

…》


涙が溢れ出る。