剱聖伝

《オレが行く》


《私もっ!!》


《ダメだっ!!》


ついてこようとするティア

をいさめた。


まだ何か言いたそうだった

が、


《足手まといだ》


の一言で何も言えずうつ向

く。確かに私が居れば


足手まといになる…わかっ

てはいるが、いてもたって

もいられなかった。


《必ず救う…信じて待って

てほしい》


メガネの奥の真剣な目が


優しく包み込む。


《…わかりました》


クロードがうなずき、次の

瞬間目の前から消えた。


《足手まとい…私……


辛いな…》


星を見上げ呟やく…


宝石のような輝きとは


裏腹にティアの心は


悲しく淀んでいたの


だった。