そう…そのセシルドさん


が目の前に居た。


化物の牙に短剣を押し当て

て、なんとか食い止めて


いるようだった。


やがて少しづつ押されて


くる…ラキはどうして


いいかわからずボォ〜と


していると、


《ここはオレがなんとか


する。坊主は元居た小屋


まで走って逃げろ。そして

…クロード…もう一人の


連れにこの事を話せ》


必須に応戦しながらセシル

ドが話す。


《で…でも》


《いけっ!!!》


セシルドの鋭い声に


体がビクつき、ラキは


走り出した。


途中、木につまづき転び


ながらも後ろを振り向かず

ただひたすら来た道を


走り続けた。


また助けられた…前は


ティア姉ちゃんに…そして

今度はセシルドさんに…


強さが欲しい。


自分を守る強さが…


大切な人を守る強さが…


そして、復讐する為の


強さが…ラキの心は


何時しか深い混沌の


世界に身を落としつつ


あるのであった。