《なら、行くぜ》


そう言うと、さっさと


歩き出す。


《セシルド…三十分後に


出発だ》


誰も居ない虚空に向かって

話す。すると


《了解いたしました》


何処からか返事が返って


きた。


《セシルドよ…頼んだ


ぞ…》


やがて二つの気配が無く


なり、一人残った


爺は溜め息をもらす。


《まったく…困ったお方


だ…まぁセシルドが居れば

無茶は出来ぬじゃろうが…

また陛下にお叱りを受ける

な…》


なんと言い訳をしようか


考えてみるが、いい案が


浮かびそうにない。


《…お茶でも飲むかのぅ》

そう言って、その場を


後にしたのだった。