《ハァッ!!セイッ!!》

重厚でかつ綺麗な形…


研ぎ澄まされた剣気…


流れ行く時は、いつしか少

年を青年へと変えていた。

ラキは額の汗を手の甲で


拭うと、草原に腰をおろす

美女へと視線を移す。


《…ティア》


そのつぶやきに反応したわ

けではないが、まるで呼ば

れたかのように美女が振り

返る。


お伽話から抜け出したかの

ような金髪の美女は、澄ん

だエメラルドグリーンの瞳

をラキへと向けた。


《今日の稽古は終わりです

か》そうティアが言うと同

時に風が強くティアの頬を

なぜる。


長い金髪が空に舞い、夕日

に透かされると、あまりの

美しさに見取れてしまい


返事をするのを忘れて


しまう。


《…ラキ!?》


《あっ、うん》


すかさずそう返事をするが

妙な感じになってしまう。