《なんじゃっ!!この剣気

はっ!!》


体が萎縮する。


《恐ろしさの中に暖かさを

感じる…》セイランが両腕

で体を包む。


《新手…か!?》


スザクが手で顔を覆う。


ほんの一瞬、刻が止まった

ような気がした…いや、止

まったのかもしれない。


突然現れた男によって…。

邪気が無くなった。


周りを覆う黒いカーテンが

払われる。


それがまるで刻が止まった

と思わせたのかもしれない

。男は三人の前に立ち、サ

タンを見つめている。


長い純白のマントに身を


包み、肩にはトラバキアの

紋章を刻印した肩当てを


つけ、長い黒髪を無造作に

なびかせる。


男は後ろを向かず口を開い

た。


《トラバキアの第一王子に

して天剱聖、クローディス

・ルド・トラバキア…遅れ

てすまない…加勢する》