剱聖伝

《どうやらこっちは片付い

たようだが…あっちはどう

する?!》


スザクが頭上に浮かぶ黒い

繭に目をむける。


《既にある程度覚醒してい

る…人間達の魂によって》

セイランが剣を強く握りし

め、瞳を伏せる。


《斬らねばな…剣を極めし

我らならば斬れぬ物はない

》ハイゼルがセイランの肩

にそっと手をおく。


《あぁ忌まわしい因果と共

に…な》その横にスザクが

歩みより天を見上げる。


そこに居て孤立しているバ

ーミリオンだけは繭ではな

く、ルシフォールの遺体に

目を向けていた。


バーミリオン自身、納得出

来ていなかった。戦ったか

らこそ解るがこんな簡単に

やられるような相手ではな

い。それがずっと引っ掛か

っていたのだ。


何か…おかしい…


そのバーミリオンの読みは

当たっていた。


ルシフォールの肉体に更な

る異変が起きはじめたのだ