剱聖伝

体を支えるのもやっとと


いった感じでヘタリ込む。

《随分とやられたな》


スザクが横へ来て胸から


袋のような物を取り出すと

セイランの頭上から袋の中

身を振り掛けた。


すると、キラキラと光り輝

く粉がセイランの体を包み

込むように積もっていく。

同じくハイゼルにも振り掛

ける。


《これは…》


セイランの体中にあった


傷が見る見るふさがり治癒

していく。


《…随分と便利な物を持っ

ておるようだのう》


なんとか動けるようになっ

た体をお越しながらハイゼ

ルが珍しそうに見つめる。

《こいつは妖精の衣という

やつだ。俺の国でもごく限

られた者しか持てない貴重

な代物だぜ》


ほとんど空になった袋を


ヒラヒラと片手で振って


みせる。