もちろんソリオンも例外で

はない。


いや、それ以上に、兵士と

しても司令官としても動い

ているソリオンの体は極度

に限界を超えていた。


《いつになれば光が見える

と言うのだ…負けられない

…》


今を支えているのは強靭な

精神力に他ならない。


だが、それも尽きる時は


来る。


しかも突然に…


ソリオンは背中に突如襲っ

た激痛に我を疑う。


《……なに?!》


咄嗟に前に飛び込み、体制

を維持する。


何が起きたのかを理解する

のに意識を集中するが、痛

みと疲労で闇に落ちそうに

なるのをこらえるのに必死

だった。


《司令官は俺が殺ったぞっ

!!》そう目の前の兵士が

吠えている。


その手には血の着いた剣が

握られていた。


自分の胸を見ると刺し傷が

あり、出血している。