剱聖伝

《バー…ミ…オン…様》


そう言葉を絞り出すと、


意識を失った。


それを不気味な笑みで見て

いるルシフォールの顔は、

所々皮膚が裂け、下から黒

い物が浮き出していた。


その頬を右手でさすると、

急に真顔になって後ろを振

り返る。


その瞬間、目の前に人間ら

しき物が吹き飛んでくる!

!しかしそれを微動だに


しないで冷静に見詰めるル

シフォール。


飛んできたのは天剱聖のセ

イランであったが、そちら

には目もくれず、別の方向

を凝視する。


その先からは大剣を握りな

がら悪鬼の様な形相で立つ

男がいた。


《…ルシフォール…なんの

真似だ…》