剱聖伝

突然、剣が何かにひっかか

ったかのようにピタリと止

まる。


スザクの顔に一瞬、緊張が

走った。


レギオスの血走った眼光が

ギロリと睨んだのだ!!


その時、身体が一時的に硬

直した。


が、それがまずかった。


刹那、目の前に血しぶきが

舞うっ!!


《スザクっ!!》


セイランの叫びがスザクの

耳に届く…そして自分の身

体の異変に気づき、絶句す

る。


《…くそ、腕が…》


そう、肘のあたりから先が

なくなっていたのだ。


腕より滴り落ちる血を、筋

肉の収縮により止血する。

《…あれで動けるのか》


レギオスを見ると、胸に剣

を突き刺したまま斧に着い

た血をナメている。


《凄いっ凄いっ!!やった

じゃないかレギオス》


近くで傍観していたルシフ

ォールが、まるで子供のよ

うにはしゃいでみせる。