剱聖伝

《どうせ話しがでかくなっ

て伝わったんだろぅ!?》

スザクが悪態をつくと、


《あまりに失礼ではないで

すか、スザク殿》


すかさずセイランがたしな

める。


《お気遣いなく…気にして

おりませんので》


ソリオンは無表情でそう


答えた。


《……あんたも相当くえな

いねぇ。よくもまぁこれだ

けの兵を連れてこれたもの

だ。他の国々は、ほぼ壊滅

的打撃をこうむったと言う

のに》


《…ほんの少し、時が我等

に味方しただけの事…》


スザクの言葉にまた無表情

で答えたが、何処か寂しげ

な目を地面に落とす。


《どんな形であっても良い

…これだけの兵が居てくれ

るだけで戦いが楽になる》

ハイゼルのその言葉にセイ

ランも頷く。


《……どうやら動き出した

ようだぜ》スザクの言うと

おり、ベルゼ兵が前進を始

めたのだった。