その言葉を聞いたクロード

の歩みがピタリと止まった




《今…セタと!?》


《…??》


《メギメギのお母さん??




その言葉を聞いて驚き、口

に手を当てる。


《あの子を…知っているの

ですか?!》


《知っているも何も…》


クロードは今までのいきさ

つを事細かに話した。


《そうでしたか…あの子


生きて…》言葉に詰まる。

小さな肩が震えていた。


思いが溢れ、泣いている


ようだが、雨のせいでよく

わからない。


《あなたに会う事を心待ち

にしています。早く会いに

行ってあげてください》


しかしその言葉に首を横に

振る。


《あの子が無事なのがわか

っただけで充分です…今は

戦争中…私もベルゼの民で

す。この結末を見届ける義

務があります。だから…》

《…わかりました…全てが

終わった時はメギメギの元

へ行ってあげてください》

《…はい》


また、背負うものが増えた

…使命と決意にみちた歩み

が、今度こそ止まる事は無

かったのである。