剱聖伝

両足にに力を入れる。


そして一気に解放!!


魔物の前まで一瞬で移動


すると腰の刀を一閃、魔物

の体が下半身だけを残し立

ち尽くす。


クロードは刀を鞘に戻すと

うずくまる人に声をかけた




《ヒャ〜やめてください


殺さないで…殺さないで…

お願い…》


《もう大丈夫…立てますか

!?》


顔も上げようとしないで震

える背中に話し掛ける。


背中の震えが徐々におさま

ると、ゆっくりと顔を上げ

た。女性だった。


短い髪は雨でビッショリ


濡れている。


怯えた瞳の中は、深い赤色

をしていた。


それでも怖い感じはなく、

何処か安心感すら覚える。

《あの…ありがとうござい

ます》


ようやく害の無いことに


気づいたのか落ち着きを


取り戻していた。


クロードはまわりを見回す

が、魔物の気配は無い。


《怪我がなくてよかった。

私は先を急ぎますのでこれ

で…》そう言って立ち去ろ

うとするクロードに


《お待ちください》


と声をかける。