剱聖伝

《止まれっ!!》


ネグリス軍第一部隊長の


一声でピタリと止まる。


ここはベルゼ国中央部に位

置する平原。


草木も無く、枯れた大地が

広がっている。


《どうゆう事だ…ベルゼ城

も近いとゆうのに敵がおら

んとは…》


見渡すかぎりまるで生き物

すら確認できない。


部隊長は後方で馬に跨がる

天剱聖を仰ぎ見た。


鋭い眼差しで辺りを見回し

ていたかと思うと突然地面

に降り立った。


そして片膝を着き大地に


手をあてる。


《……これは…》


何かでえぐられた後が一本

の道のように続いていた。

セイランは素早く立ち上が

ると緊張した面持ちで身構

える。


そして…


《これは罠だっ!!》


セイランの発する声と同時

に地面が揺れる!!