剱聖伝

トラバキア軍、参謀室の


中でソリオンは考えていた

。ベルゼの魔軍は数は多い

ものの、雑魚が殆どである

。先ほどの朗報だとすべて

の国が、第一陣を突破した

との報告…あまりにも簡単

すぎる事に疑念を抱かざる

をえなかった。


《陛下からは天剱聖が居な

いトラバキアの指揮を取れ

と仰せつかったが…》


うかつに動けない事に苛立

ちを覚える。


こんな時、クローディス様

とセシルドが居ればと思う

が、そんな事も言ってられ

ない。


相手はもはや手負い…弱い

トラバキアを攻めるに違い

ない。だがそれでも数に


おいて圧倒的有利な事に


変わりはない。あてえ突破

させておいて囲んで潰す。

これで決まりなのだが…


思いどおり行くかどうか不

安だった。


《いったい何を隠している

……ベルゼども》


厳しい瞳を細め、腕を組む

。やがて意を決した様子で

扉の方へと歩いていくの


だった。