剱聖伝

セイランの姿が揺らぐ。


一瞬、ヨルムの視界からセ

イランを見失った。


その後ヨルムの腹部に激痛

が走る!!


《な…速い…》


ギリギリでかわすも腹部が

裂け、おびただしい鮮血が

ほとばしとった。


腹を押さえ、うずくまる


ヨルム。


それを冷ややかな目でセイ

ランは見下ろしていた。


《ふふ…ふぁっはは!!》

ヨルムが突然笑いだし、天

を仰いだ。


《やはり天剱聖…強いなぁ

…だからこそ…あれを試せ

る…》そう言って不気味な

瞳をセイランに向ける。


《キメラぁ!!来いっ!!

…さぁ、我を…取り入れよ

!!》


そう言いながら走り出す。

そしてキメラの口の中に


飛び込んだ。


気色悪い音と共にヨルムが

喰われてしまった。


まわりの兵士達が呆気に


とられていると…それは


始まったのだ。