クロードの言葉が胸に


染み込む。


ご無事で…。


手を合わせ祈る。


クロードは真っ直ぐに扉を

開けて歩いてゆく。


少し行くと、今出てきた扉

が乱暴に開かれる。そこに

はラキが立っていた。


《…おれも…クロードに


負けないくらい強くなって

やるからな!!そしたら、助

けてやる!!おれがクロード

の事…だから…帰ってきて

…》


最後の方は涙でつまる。



クロードが立ち止まり片手

をあげる。そのまま振り返

る事なく歩いてゆく。


何処からか笛の音が聞こえ

てきた。優しくて、心地よ

い調べ…何もかもが夢で


あったなら…


目が覚めたら皆が幸せそう

に笑っていて…


戦いの無い平和な世界…


そんな事を思わしてくれる

ような旋律…


夢じゃない…


現実にするんだ…



そうだろう…セシルド。


クロードの新たな戦いが


始まろうとしていた。



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   第三章 完