剱聖伝

トラバキア城 国王の間

 ビャクジイ
《白爺…わざわざ来てもら

って悪かったな》


とても広い部屋にある豪華

に飾り付けられた椅子に座

る男がそう話す。


白爺と言われた男はアゴ髭

を擦りながら、近くですす

り泣く少年に目をやる。


《実は白爺に頼みがある…

こいつをかくまってほしい

》そう言って


シクシク泣く少年を見る。

《アリシスタが……賊に


襲われた……今素性を調べ

ているが…内部の可能性が

高い》


《敵は国外だけでは無いと

いう事じゃな…》


《俺が甘かった…》


強く奥歯を噛み締める。