剱聖伝

体が鉛のように重い…


気分も最悪だ…


ここは…どこだ!?


知らないようでいて、何処

か懐かしい…


ゆっくりと体を起こす。


顔に太陽の光があたり


眩しさに目を細める。


そのあと自分の体を見つめ

状況を確認した。


腕の傷がまるで無い。


それ以外の傷も全て治って

いた。


《これは…》


《気がついたかな》


扉を開けて歩いてくる


老人が声をかけた。


《……師匠》


クロードの瞳が驚きで


見開かれる。


《ずいぶんと派手にやった

ようじゃの…》そう言うと

近くの椅子に座った。


《……》


何も言わずうつ向く。


《真解を使うたか…》


白蓮がアゴ髭を擦り、ため

息をついた。