剱聖伝

《この先に居られる方はお

前のような奴が気安く会え

るような方では無い。それ

に……クロード!?そんな奴

は知らんっ!!》


《ちょっと待ってよ!!》


ラキの説明も虚しく斧を


高く振り上げる。


《怪しい奴は…死ね!!》


《ひゃっ》


《止めい、グリッド》


何処からか聞こえた声で、

ラキの頭上1センチの所で

ピタリと止まる。


いつの間にかすぐ目の前に

老人が立っていた。


白く長い髪が腰のあたりま

で有り、先だけを結んでい

た。


その老人がアゴヒゲを触り

ながら口を開く。


《お主…今、クロードと


言ったか!?》


その問いに対して無言で


うなずく。そしてクロード

から預かった王子の証を


見せる。