剱聖伝

同じ場所を行ったり来たり

している。


《おまえ、この場所になん

の用だ》


突然の声に驚き、あたりを

見渡す。


茂みの奥から足音が聞こえ

、声の主が現れた。


《うわっ!!》


ラキはその姿をみて腰を


抜かす。その姿は


まるで動物のように全身


毛むくじゃらで、顔は狼に

似ていた。しかし、二本足

で立ち、体には薄手の衣類

を巻いているのがなんだか

違和感を覚える。


そして言葉を喋る狼男が


ラキの前に来て、持ってい

る斧を目の前に突きつけた




《答えろ…返答次第では…

殺す》


ラキの顔がこわばる。


《この先にある場所に住む

人に会いたいんだ…クロー

ドの知り合いがいるらしく

って……そんで、そのクロ

ードが今、危ないんだ!!…

だから…》


そこまで言うと相手の表情

を伺う…。