《……もう限界》


いくら精霊の加護をうけて

るからといって、疲れない

わけではない。ティアの体

力も限界が近くなっていた

。かなり遠くまで


逃げてきた…ここで少し休

憩しよう。


スピードを落とすと近くの

大樹の下に少年を


横たえた。

すると今まで体を覆ってい

た精霊達がスーっと空気の

中に消えていく。


《みんなありかとう》


精霊達に小声で感謝して


視線を少年に移す。


まだ眼を覚ます様子は


なく、まるで息をしていな

いかのようであった。