剱聖伝

《メギメギ、こらへんは


見覚えあるかぁ?!》


あたりはうっそうとしげる

森…見覚えなどあるはずが

なく…《知らんメギ》


予想通りの返事が来た。


あまり近づくと察知される

恐れがあるのでこれ以上は

危険だ。そろそろ離れた


ほうがいいだろう。セシル

ドも何か落ち着かないのか

神経を研ぎ澄ませている。

《どうした》


《いえ…なにか嫌な感じが

するのですが…クロード様

は何も感じませんか!?》


《いや、気配は感じられん

が…》クロードがあたり


を探る。


クロード様が感じないのな

ら気のせいか…。この時セ

シルドは凄く嫌な感覚に


おそわれていた。しかし


クロードの感知能力は絶大

…読み違えるなどあるわけ

がない。


しかしセシルドは正しかっ

たのだ…少し離れた大木の

上に、気配をたちクロード

達を見つめる男は、まる


で木と同化しているかのよ

うに存在を消していた。