(お願い…私とこの子に風

の加護を!!)


ティアが心で呼びかけると

精霊が体のまわりを覆い


はじめた。肉体が嘘のよう

に軽くなる。すかさず少年

を抱き上げると、森の中へ

と全速力で駆け出した。


何処に向かっているかも解

らず、ただひたすら効力の

続く限り。


今は安全な場所まで……。

私は無力だ…


まだ生存者が居たかも


しれないのに…


悔しさと情けなさで


涙が出ていた。唇を強く


噛み締め、腕の中の少年


を見つめて誓う。


《この子は助けてみせる》