剱聖伝

セシルドはひたすら馬の


手綱を握り、目的地へと


走らせる。


後ろの荷台から話し声が


微かに聞こえるが、まるで

気にした様子もなく、機械

のようにまたがっていた。

ベルゼ王国まではまだ4日

ほどかかる。険しい道を走

り続けて既に3日…馬の疲

労もだいぶたまってきて


いた。


セシルドは手綱を引いて


馬の足を緩める。


やがて周りの見渡せる広い

草原を見つけて止まった。

馬に水をやると、よほど喉

が渇いていたのか勢い良く

飲んでいる。


時刻はだいたいお昼…腹の

時計がグゥ〜と鳴る。


《ひとまず昼飯といきます

か》背伸びをしながら


クロードが荷馬車を降りて

きた。


その後にティア、ラキ、メ

ギメギの順に降りてくる。

《腹が減って死にそうだよ

〜》ラキが情けない声を


出す。