《魔物の数を増やせ》


うずく傷を擦りながら


バーミリオンが部下に


命令を下す。


《バーミリオン様…他国


が停戦条約を結び、手を組

んだもようです》


側近のシーリアが報告を


する。


《うむ。計画どおりだ…


心配するな》


玉座に座り、かたひじを付

いた姿勢で答える。


ここはベルゼ城中央部、


国王の間である。


本来なら国王陛下が


居る場所にはバーミリオン

が座っていた。


陛下は病気の為、特別室で

治療している間、バーミリ

オンが指導権を任されてい

る…名目上はだが。


実はそれはバーミリオンが

仕組んだ策略であった。


和平による道を模索し始め

た国王に反感を抱き、同じ

思いの同士を集め、国王を

おとしめたのだ。


実質上バーミリオンがこの

国の王であった。