剱聖伝

国王の手が上がる。


その手を振り下ろすと


執行の合図。


斬首人が合図を待ち、


大刀を振り上げた。


わずかな沈黙の後、


国王の手が下がろうとした

まさにその時!!


突如、民衆達がどよめく。

一番ザワつく場所の中心に

目を移すとそこには


白馬に乗ったクロードが


いた。


しかし、両腕を負傷して


いるせいか、たずなを


持たずまたがった状態


でゆっくりと歩を進める。

まるで無人の野をゆくが


如く、真っ直ぐメギメギの

元へと向かっていく。


《ソリオン…どうゆう


ことだ》


国王が冷静に口を開く。


《どうやら…何者かが


要らぬ手引きをしたもよう

です》