剱聖伝

《どっちに行くの!?》


《右の扉にします》


迷わず答えた。


ラキが不思議そうな顔で


見てくる。


《いえ、勘です》


《なぁ〜んだ。なんか


あるのかと思ったよ》


つまんないといった感じで

右手の扉をそっと開けた。

開けた先には階段があり、

地下におりているよう


だった。


《わぁ…なんか…出そうだ

ね》



ラキが顔を引きつらせなが

ら後ずさる。


《ラキはここで待っていて

ください》


そう言うとスタスタと


降りていってしまう。


《冗談でしょ…こんな所で

一人なんて嫌だよぉ》


慌てて後を追いかけてゆく

のだった。