剱聖伝

それを見届けると、ウトウ

トしてるラキの腕を持って

全速力で走り出す。


《うわぁっ!!っとっと》


ラキも引かれて走り始めた

。門までは後少し。


わすかな距離がやたら長く

感じられた。


ぐっすり寝てる門兵の横を

通り過ぎる。


門の前までたどり着き、扉

に手をかけた。


意外にも鍵はなく、あっさ

りとあいて拍子抜けする


二人。


中に入るとそこは薄暗く、

ジメッとした空間が広がっ

ていた。


《け…けっこう暗いね…》

ラキがティアの袖を掴んで

ピッタリくっつく。


大きな一つの部屋に二つ


の扉があり、どちらに行く

か迷う。


《なんか…なんにも無い


所だね》


確かに何もなかった。


それこそ窓一つ無いのだ。

それと入った時から感じた

違和感…。