剱聖伝

オレのした事は正しかった

のか…クロード様のあの


哀しみと慈しみの眼が脳裏

に焼き付いて離れない。


あの方を幼少の頃より


慕い、お遣えしてきた。


でも…オレは裏切った


のだ……国の為…いや、


そうじゃない…己の弱さ


ゆえに…使命から…親から

逆らう事ができなかった


のだ。


とても大切なものを無くし

てしまった。


だが、まだ間に合う事


がある!!


《オレもまた反逆者か…》

小さく囁いた。


《あの…》


何か言ったのかと思い


話しかけようとする。


《気にするな…独り言だ。

まだ独り言を言うが気に


するなよ》そう前振りする
  ・・・
と、独り言を話しだした。