《…うむ…》
顎のヒゲをさすりながら
物思いにふける。
《いずれこの国の王に
なるのだ…甘い考えでは
国を守れぬ。多くの犠牲な
くして未来の安定は望めぬ
のだクロードよ…》
最後の言葉はその場に居な
いクロードへではなく、自
分自身に語りかけたように
も思えた。
その寂しさと不安げな表情
は、滅多に見せる事のない
ものである…がそれも一瞬
、いつもの英雄王の顔に戻
る。
《例の捕虜はどうした!?》
《はい、只今取り調べて
おります》近くの兵士が
直立不動で答える。
《情報を洗いざらい吐かせ
よ…手段は選ばぬ》
《はっ!!》
素早く敬礼をすると、駆け
足で走り去る。
《ベルゼの者が口を割る
でしょうか…》
ソリオンが疑問を口にする
。
《割らねば割らぬで使い道
もあろう…これは戦争な
のだ》そう言い放つ瞳の奥
は暗く淀んだ炎がくすぶっ
ているかのようであった。
顎のヒゲをさすりながら
物思いにふける。
《いずれこの国の王に
なるのだ…甘い考えでは
国を守れぬ。多くの犠牲な
くして未来の安定は望めぬ
のだクロードよ…》
最後の言葉はその場に居な
いクロードへではなく、自
分自身に語りかけたように
も思えた。
その寂しさと不安げな表情
は、滅多に見せる事のない
ものである…がそれも一瞬
、いつもの英雄王の顔に戻
る。
《例の捕虜はどうした!?》
《はい、只今取り調べて
おります》近くの兵士が
直立不動で答える。
《情報を洗いざらい吐かせ
よ…手段は選ばぬ》
《はっ!!》
素早く敬礼をすると、駆け
足で走り去る。
《ベルゼの者が口を割る
でしょうか…》
ソリオンが疑問を口にする
。
《割らねば割らぬで使い道
もあろう…これは戦争な
のだ》そう言い放つ瞳の奥
は暗く淀んだ炎がくすぶっ
ているかのようであった。
